気分が沈む、楽しく感じない、頭が回らず意欲がわかないなどの症状が2週間以上継続した時はうつ病を疑います。重症化すると死にたい気持ちが強くなることがあります。そのため早期に治療を開始するのが重要になります。
まずは病気の特徴を理解し、休養に加え、必要に応じて薬物療法を行います。自分を責めない、焦らないことが大切です。病気が改善し治療の終結を検討する時は、それぞれ個々に異なるため医師とよく相談が必要です。自己判断で中止すると再発のリスクが高まるため注意しましょう。
気分が高ぶり誰かれ構わず話をして、夜中に眠らず動き回る躁状態の時期と気分が沈み、やる気が出ないといった時期が繰り返されます。うつ病とは薬物治療が異なるため診断がとても重要です。
まずは病気の特徴を理解し、薬物療法を開始します。治療目標は、今ある躁やうつの状態を改善させること、躁やうつの再発が無いように病気をコントロールすることです。そのため、根気強く治療を継続する必要があります。病気が安定したからといって油断は禁物です。
眠れない。夜中、早朝に目が覚める。寝た気がしない。などの症状が1ヶ月程度続き日中の疲労感、集中力の低下などを来す病気です。ストレスで発症することもおおく、様々な精神疾患では不眠症を呈する頻度が非常に高いです。不眠症だと感じたら早めの受診をお勧めします。
不眠症の原因を考え、それに対する適切な治療を行います。また、睡眠習慣の見直しを行い、必要に応じて薬物療法を開始します。自己判断の睡眠薬の減薬や中止は、症状悪化の原因にもなりますので相談してください。
「自分の悪口を言う声が聞こえる」といった幻聴、「誰かに狙われている」といった妄想などから自宅に引きこもり、感情が鈍麻するなどの症状があります。
薬物療法を継続することで再発を防ぎ、機能低下、脳の萎縮の進行を抑制することができるため治療の必要性を認識し継続することが重要です。最近では、再発予防効果が高く1ヶ月に一回の注射の治療であるLAIが注目されています。
診断を確定した段階で早期から薬物療法を開始します。疾患について、治療の必要性、再発の危険性など病気への理解を深め医療スタッフと共同し治療を行なっていきます。
不安から心と体に様々な不快な変化を引き起こす疾患です。その中には、突然激しい不安に襲われ心臓がドキドキする、息切れなどがでるパニック障害、戸締りを何度も確認する、手洗いを何度もするなどの強迫性障害、人前で緊張する、赤面するなどの社交不安障害などがあります。
医師との面接と薬物療法を中心に行います。薬物療法として、抗うつ薬(SSRI など)の使用を中心に行います。抗うつ薬と聞くと拒否反応を示す方も多くいますが、抗うつ薬は不安を軽減する効果が高く、不安障害の治療において有効なことが報告されています。面接やカウンセリングでは、不安な考えを修正するような治療が行われます。
大人の発達障害の代表的なものには、場の空気が読めず相手を怒らせてしまう、柔軟な考えができず小さな変化にこだわってしまう自閉症スペクトラム症やケアレスミスが多い、指示されたことを忘れる、優先順位がわからないなどの注意欠陥多動症があります。問題として、発達障害の影響で職場でうまくいないため職場に馴染めずうつ病などの精神疾患を発症することがあります。そのため、自分の発達の特徴を把握することが非常に重要です。
診察の結果、発達障害が疑われた場合、心理検査を行い発達の特性を把握します。その特性を考慮した上で、環境調整、訓練、ときに薬物療法を検討します。そして、まずは何より自分の特性を受け入れ、それと上手に付き合う工夫を考えていくことが重要になります。
明らかなストレス要因によって気分の落ち込みなどの情緒面、意欲が落ちるなどの行動面に影響を来す病気です。重要な点は、うつ病との違いです。適応障害はストレス要因から離れれば症状は改善するという点です。うつ病は、そうはいかず、ストレス要因から離れていても憂うつな気分は持続します。
環境調整を行うことをまずは検討します。仕事でのストレスであれば、配置転換、休職ですし、家庭でのストレスであれば、別居なども考慮します。一時的に薬物療法を行うこともありますが、症状が落ち着き次第中止を考慮します。適応障害の背景に発達障害が関係していれば心理検査も実施し、診断の見直しも行います。
物忘れが目立つようになり、何度も同じことを繰り返して話をしてしまうなどの中核症状、気分の落ち込み、徘徊、お金が盗まれるなどの物盗まれ妄想などの周辺症状などを認め慢性的に進行する脳の病気です。代表なものは、アルツハイマー型認知症、血管性認知症、レビー小体型認知症などがあります。改善する認知症もあり正常圧水頭症、慢性硬膜下血腫などがあります。
認知機能の重症度を評価し、画像診断も行い認知症の診断を行います。症状に合わせた薬物療法を検討します。認知症のお薬は、物忘れの進行を“止める”のではなく“遅らせる”ことを注意しなければなりません。また、家族の負担なども評価し社会福祉的なサービス導入を考慮します。